7月1日にジャニーズ事務所より社長であるジャニー喜多川氏が6月18日に体調の異変を訴えて都内の病院に救急搬送され、「解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血」で入院していることを発表しました。
実は芸能人にも「くも膜下出血」で手術を受けた方は少なくないです。術後の経過は人それぞれで、出血の部位や程度によって予後も変わります。
また、年齢、性別に関係なく発症しています。
くも膜下出血と診断された芸能人
くも膜下出血の原因
血管の分岐部に出来る瘤(コブ)が破裂してくも膜下に出血が広がりくも膜下出血となります。
出血してしまうと部位や出血の程度で予後がかなり変わってきますが、人間ドックなどで定期的にMRIを撮っていれば、破裂する前に手術をすることが出来、破裂する可能性はかなり低くなります。
くも膜下出血を発症した芸能人
- 2004年11月 星グランマニエ(氣志團)
- 2011年10月 KEIKO(globe)
- 2012年12月 星野源(歌手、俳優)※13年6月にも発症
- 2013年9月 佳那晃子(女優)
- 2015年3月 上野博文(T-BOLAN)
- 2014年12月 米良美一(歌手)
- 2016年3月 いっこく堂(腹話術師)
- 2018年8月 小野寺昭(俳優)
- 2019年6月 SHEILA(タレント)
芸能人のその後
星野源
今は音楽、ドラマでも大活躍の星野源さん。
12年12月に体調不良を訴え検査の結果くも膜下出血と診断され手術を受けています。術後の経過も良好で1度は復帰しましたが、翌13年2月末に定期健診で手術した箇所が「万全な状態ではなくなってきている」ことが判明し再度手術をしました。
7ヶ月の休業を経て、キャリア初となる日本武道館で復帰ライブを開催し、同公演を皮切りに本格的に活動を再開しました。
KEIKO
小室哲哉さんの妻でもあるglobeのKEIKOさん。
11年10月24日夕方に首の後ろに激痛が走り救急搬送され、同日にくも膜下出血と診断され5時間に及ぶ手術を受けました。
手術は無事成功し、身体的には麻痺や障害が残りませんでしたが、高次脳機能障害が残り小室さんや家族、スタッフのサポートを受けている状況です。
高次脳機能障害とは
脳卒中や交通事故などによる脳の損傷が原因で、脳の機能のうち、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害を高次脳機能障害と言います。注意が散漫になる、怒りっぽくなる、記憶が悪くなる、段取りが悪くなる、などの症状があり、全国に50万人くらいと推定されています。
出典:はしもとクリニック経堂
米良美一
14年12月に鹿児島県で行われた講演会から帰京し、翌日のお昼頃、都内の自宅で倒れているところをマネージャーが発見され都内の病院に救急搬送されました。
くも膜下出血を発症し、手術で一命をとりとめましたが「病院での会話が自分自身覚えていなかった」といわれています。
さらに手術から1カ月後には後遺症である水頭症を発症し、脳脊髄液が脳を圧迫する命の危険を伴う病気で、当時意識が混濁し正常な判断が出来ない状態だった米良さんのに代わりに、母親が手術の決断をしたそうです。
当時医師からは「手術したからといって助かるかどうかの見込みはなく、重症で5段階あるうちの4で手術成功確率は10%以下」と説明され、さらに手術には言語障害のリスクが伴い、仮に一命をとりとめても、歌うのはおろか喋ることすらままならない可能性もありましたが、母親は「リスクがあったとしても賭けであったとしても、まず命がないと何も出来ない」と手術を選択しました。
くも膜下出血発症から273日後の15年9月にコンサートで復活を果たし、現在も活躍されています。
まとめ
くも膜下出血の予後はそれぞれですが、早期発見早期治療にこしたことはありません。
しかし、くも膜下出血は激しい頭痛、嘔吐、意識障害が起こった時には手遅れになる可能性が高い病気でもあります。
家族性の遺伝は確かではありませんが、人間ドックなどのMRIで早期発見は可能です。動脈瘤を持っていても症状はありませんので、定期的な健康診断をおすすめします。